代表川島のコヂカラ原点とは
今期で5年目に入ったコヂカラ・ニッポン。
今回、副代表の尾崎がインタビュアーとなり、代表川島のコヂカラの原点を伺いました。
要所要所にコヂカラ満載の内容となりました。
是非最後までご覧ください!!
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副代表尾崎<以下尾崎>
子どもたちとどのような活動をされてきましたか?
代表川島<以下川島>
自分の子どもが小学校になって少年野球を始めたことをきっかけに、私も少年野球のコーチを始めました。ただ命令するだけや、上から目線のコーチにはなりたくなかったので、子どもたちの自主性を促すようなことをたくさん行いました。
例えば、「全体の中の1時間だけは自分たちで練習方法を考えてごらん」とか。ある試合では「どこを守りたいか、みんなで話し合って、みんなで決めて」と議論をさせたりしました。
大人がポジションを決めるものだと思っている子ども達は自分たちで決められることにキラキラするのですが、同時に難しさも知ります。「ピッチャーをやりたいけど、希望者が多くて出られない。でもライトなら出られる。」希望のポジションをとるか、試合に出ることをとるか、子どもは悩むんです。
当然コーチとして「ピッチャーが偉いとか、ライトがだめだとかそんなのはない。ホームランを打てる子もバントができる子もチームにはみんな必要。もちろん、スコアラーもいないとチームが強くならない。自分と得意なこと、やりたいこと、必要とされていることを総合的に考えて結論を出してほしい」とアドバイスをします。すると、不思議なことに最適なところに最適な子が入り、なんと大会で優勝したんです。自分で決めたということに関する責任感、参画感は子どもたちの力を最大化させます。子どもの本当の意味での実力やポテンシャルを大人はつかみきれていないのだと痛感しました。
他にもPTAの会長と副会長を小中学校で計6年間勤めました。通常、PTA主催のイベントでは大人が準備してフランクフルトを売ったり、ゲームを作ったりするのですが、私の学校ではイベントで子どもたちに3つのスペースを与えて、「物販」「遊び」「なんでもOK」を考えてもらいました。伝えたのは予算とやってはいけないことだけ。単純に来場するのは子ども達だから、子ども達が作ったほうがおもしろいし、大人の創造すること以上のことができると思ったのです。
結果、以前の大人だけが提供するイベントと比べると盛り上がりも全然違いました。来場者も増えたし、売り上げも上がりました。
私自身も小学生の時にリトルリーグで、上から目線や怒鳴るだけのコーチらに嫌気がさし、自分でチームを作る経験をしました。小学生の監督兼プレーヤーで監督会議などにも大人に混じって参加していました。自分たちで練習方法も考えて、ポジションも作戦も考えて優勝したんです。
中学生の時には、タバコ片手にだらしない恰好している先生が「お前らキチンとしろ!」とか、生徒主体のはずの球技大会の出場者を一方的に先生らが決めてしまうことに反発心を持っていたのですが、文句を言っても聞いてくれませんでした。そこで自ら生徒会長になり、先生らと生徒会による「会議」の設定を認めさせ、それ以来、「生徒の声」ということを堂々と先生らにブツけ、いくつかは採用してもらいました。
高校生の時には、当時流行っていらレンタルレコード屋でバイトをし、店長代理となり、店を仕切ってきました。
大学生の時には、友人らとツアー会社を設立・運営し、同世代の顧客から多くの支持を頂きました。そんな原体験もあり、私はずっと「子どもがやることは子どもたちにやらせるというのが一番良い。」という考え方で活動をしてきました。
<尾崎>
子どもたちと一緒にプロジェクトを行って何を得たと思いますか?
<川島>
何よりもマネジメント能力だと思います。自由にやっていいよ、といっても当然意見が分散し、混乱し、泣き始める子も出てきます。それはもう大変です。カオス。
子どもたちはいい意味でも悪い意味でも「わがまま」ですし、反応が素直。嫌なことには従いません。威圧するのは簡単だけど、それはやってはいけませんし、そもそも子ども達は次回から来なくなります。自由にやらせながらも統制をとる方法を子どもたちとの付き合いで学びました。
部下の「主体性」を重んじ、株主や顧客の「意向」を満たし、目指すべき「ゴール」に到達させる。まさにこのようなマネジメント能力は、MBAの本なんか読んでも身に付きません。カオスな子ども達を率いていく過程で学ぶ高度なテクニックです。
もう一つ、子どもたちと付き合うことで気が付いたことは、自分自身が既成概念にとらわれていたな、ということです。発想、アクション、ターゲット、目標、などすべてのことに対して、「固定化された」枠を超えて子どもたちが提案してくれるので、毎回自分の頭にある既成概念を取っ払うことができました。
柔軟性や発想力では人に負けないと私は自負していたのですが、ことごとく子ども達にその自負を砕かれてきたのです。
<尾崎>
実際の仕事にどう役に立ちましたか?
<川島>
三井物産系の上場会社の社長を4年間やってきました。就任当時、業績は低迷し、社内の雰囲気は停滞、社員は疲弊しきっていました。今振り返ってもひどい状態でした。しかし、3年間で、時価総額が2倍、利益は8割増を達成、社員満足度も過去最高を毎年更新、社員も株主もみんなが喜ぶような状況まで持っていくことができました。
ポイントは非常にシンプルで社員に「主体性」を持たせたこと。
社員一人ひとりに「何をやりたいか、やらなければいけないか」を考えさせて提案してもらいました。子どもたちの野球チームで行ったことと同じです。主体性重視。裁量型。
私は日本の閉塞企業の大きな原因は「やらされ感」だと思っています。「やらされ感」を「やりたい感」にもっておくことが上司の役割であり、マネジメントをするということです。もちろん、この能力は管理職だけでなく、関わるクライアントやパートナーにどうすれば「やりたい感」をもってもらえるか?を考える担当職にだって求められる能力です。
子どもたちと関わった後に、会社のマネジメントをすると「片手でできる」くらい楽に感じます。実際、私は会社の経営をしながら、PTAの会長と、2つのNPO(一つは代表で一つは理事)をやってきました。一方では、毎朝、息子の弁当や家族の朝食を作ったりなど家のこともやってきました。
子どもたちは共通言語がすくない、あうんの呼吸がきかない。世代間のギャップ。職権が使えない。感情を優先させる、とかなりハードルの高いメンバーです。それに引き換え、社員は会社の共通用語がある、あうんの呼吸がきく、目指す方向もおおむね同じ、世代ギャップも(子どもとの差ほど)無い。そして最後は、「社長命令だから!」と職権が使えるなどの点で、子どもに比べれば100倍、動かしやすいメンバーです。
もちろん対象がシニアでも、学校の先生や様々な価値観を持つ保護者が集まるPTAでもよいのですが、圧倒的なマネジメント力を鍛えるならば、私は子どもたちとかかわることを進めます。
理由はシンプルで「一番意のままにならない」からです。おまけに子どもたちと接するとエネルギーや多くの気づきも得ることができるし、無条件に子どもの笑顔はすごくうれしい。いいことづくめです。
今の日本は優秀な人こそマネジメント能力が失われる環境にいます。幼いころから似たような価値観の子たちだけで集まり、勉強ができれば先生も親も意のままに動かせる。大学生や社会人になってさらに狭いコミュニティの中で動くようになります。自分に似たメンバーを自分の意のままに動かす経験を積み重ねても、「正解のある問題」や「暗記が勝負」のお受験をいくらやっても、マネジメント能力は鍛えることができません。全く意のままにならないメンバーを動かす経験こそ、企業研修で行うべきことだと考えています。
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これまで川島が経験してきたことが、コヂカラ・ニッポンの理念や活動の土台となっていることが伝わる対談となったのではないでしょうか。
是非皆様も子どものチカラを信じ、日本の未来を共に創っていきませんか!?
「漠然とやってみたいことはあるけど、どうしたらいいのかわからない・・・」
「主体性を持って行動する自信がまだない・・・」
コヂカラ・ニッポンはそんな方でも大歓迎です。これまで子どものチカラを引き出し、その活動をサポートをしてきた会員たちが、今度はあなたをサポートしていきます。
大人会員だけでなく、エネルギッシュな子ども会員ももちろん大歓迎です。少しでも興味を持たれた方は是非下記をご覧いただきお問い合わせください。
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