「西原町から愛を届けにやってきました!!」
2月25~27日の計3日間、沖縄県西原町※NS2BPプロジェクトの子ども達が西原町のPRと、地元特産品販売の為に首都圏へとやってきました。
※NS2BPとは、「Nishihara Students Social Business Project」の略で、西原町の活力ある農業と地域づくりを通じて,郷土愛を育みながら未来対応型リーダー人材育成を目的としたプロジェクトです。
今年で3年目となる首都圏研修。子ども達はこの日の為に一生懸命準備をしてきました。メンバーの中には1週間毎日役場へ通った子もいた程です。努力の甲斐もあり、今年の活動もしっかりと実を結んだ結果となりました。
販売場所は昨年と同様、巣鴨地蔵通り商店街です。まずは全員でユニフォームに着替え、会場設営を行いました。今年は19人中18人が初参加のメンバーです。リーダーや昨年の経験者が中心となり指示を出していきます。準備が完了すると、いよいよ販売活動のスタートです。
※今年の販売商品はこちら。
・こわれ塩せんべい
・島ナー入りサーターアンダギー
・紅いもチップス
・生沖縄そば
・シークワーサー入りキムチ
「僕たち、沖縄の西原町からきました!!」
「ただ今、西原町の特産品を販売しております。いかがですかー!!」
巣鴨地蔵通り商店街のすがもん広場から、歩行者へ向けて大きな声で呼びかけます。
「こちらの商品がお勧めですよ。試食しませんか?」
「お会計はあちらになります。ご案内します。」
子ども達の活気ある声とカラフルなユニフォームがひときわ目に止まります。売場には次第にお客さんが集まり始めました。それと同時に、初めて訪れた東京に緊張していた子ども達から硬さが取れ、普段の動きが出てきました。
昨年は伝統芸能のエイサーを売場で行いました。今年はなんと三味線の演奏です。2人が奏でる音色でお客さんを魅了していきます。
商品の売行きも絶好調です。午前中にほとんどの商品が完売してしまいました。全商品の完売を目指して子ども達の気持ちも一層熱くなります。売り場から声をかけるだけでなくお客さんの元へ歩み寄り宣伝していきます。商品だけでなく西原町に関する事で声をかけてくれるお客さんも次第に増えてきました。
「西原町は沖縄のどの辺りにあるの?」
「本島の中部に位置する町で、地図のこの辺りにあるんですよ。」
NS2BPプロジェクトの紹介も忘れません。
「僕たち西原町の高校と琉球大学の学生は、役場・企業と連携して、ソーシャルビジネスを展開しています。今回は首都圏研修としてここで販売活動をしているんです。」
全員の力が一つとなり、販売開始からなんと3時間で全商品完売です。今年の活動目標「西原町の魅力を存分にPRする事」をしっかりと達成することができました。
最終日は、コヂカラ・ニッポン小林による「販売振返り」と、コヂカラ・ニッポン三尾と株式会社JSOLの西澤さんによる「IT・AIを使ったブランディング講座」を行いました。
まずは前日の販売活動の振返りです。シートに記入後、全員の前で各自発表していきます。ホンバンの職業体験を通してそれぞれに多くの学びがあったようです。
※内容の一部をご紹介します。
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1.「今回の活動の点数(10点満点)」
7点2人
6点3人
5点5人
4点4人
3点3人
2点1人
0点1人
点数理由:
・個人の目標である”積極的に声かけを行い、多くの人に足を止めてもらう”を実際に行うことができたから。
・最初は何をしていいのか分からず、とまどってしまったけど、販売をしながら、どんどん慣れて、お客さんの質問をちゃんと答えられて良かったと思ってます。また、声を大きくハキハキと喋れて、積極的に行動できたと思います。
・人に対してアピールはできたかもしれないけど、周りが見えてなかった。会計の時に少しもたついた部分があった。
・個人の目標のチームワークや、周りの人の事を考える事があまりできていなかった。
2.「店舗販売の振返り」
・興味を持ってもらえず販売しづらいと思っていたが、意外と興味をもってもらい、きちんと販売することができた。
・「高校生と大学生で活動しています」って言ったら、みなさん驚いて感心していた。
・思ったよりいろんな人が立ち寄ってくれて、売れるのは早かったけど、もう少し沖縄らしい方言とかで呼び込みができたら良かったなと思いました。
・商品をレイアウトしている途中に販売が始まってしまっていて、会計と連携が取れていなかった。
3.「自分に変化のあった点」
・以前の研修では自分で考えて行動する事ができなかったけど、今回は自分で考えて行動する事ができた。
・すべての状況において良い点、悪い点を真剣に考えることが大事だとわかった。
・もともと人見知りが強くて、今でも人見知りだけど、相手の目を見て話が少しできるようになった。
・人と話すのがもっと好きになった。
4.「沖縄へ戻ったら、実行したいこと」
・将来、仕事に就いたとき、地域とのかかわり、こういった活動を管理する立場になるかもしれないため、こういった経験ができてよかったと思う。
・一人で頑張るのではなくまわりの動きも観察して困ってる時に手伝える様になりたい。
・自分の販売する商品のことを事前に調べて喋れるようにしたり、今回の体験を通して気づいたことを、行なってないメンバーや次入ってくる4期生に伝えてどんとんパフォーマンスやアクションを向上させていきたいと思う。
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全商品完売という結果にも関わらず、子ども達から出てきた言葉はどれも向上心に溢れたものばかりでした。
振返り後はコヂカラ・ニッポン三尾から「ITを活用したプロモーション」について、NS2BPの活動プロモーションと、実社会でのITの活用例を紹介した動画を用いて説明しました。
続いて、株式会社JSOLの西澤さんから「人工知能とは何か」についてお話しいただきました。女性や学生に人気のスマートフォン用写真アプリや、音声認識機能で使われているAIを例にして説明いただきました。他にも、自律ロボットが家庭で使用される動画を見たり、AIによって作られた小説や音楽を体験しました。
「機械やAIが人間に近づくことはできますか?」
最後の質問タイムで、1人の子から投げかけられた質問には、
「今後AIが発達した社会になる事は間違いありません。その流れにうまく対応できるようAIをうまく活用できるようになる事が大切です」とお答えいただきました。子ども達はしっかりと耳を傾け頷いていました。
こうして各自大きな実りを得た首都圏研修が無事終了しました。今年で卒業する子もいるNS2BPの子ども達。来期はまた新たなメンバーを加えての活動となります。今回の活動で得たものを是非次の後輩達へ受け継ぎ、地元西原町で活躍してくれることをコヂカラ・ニッポン一同楽しみにしています。首都圏研修、本当にお疲れ様でした。
<写真・文>
大森 光太郎