パラレルキャリア・プロボノ対談第1弾 / 「まずは興味がある活動に参加してみる」
本業を持ちながら自身のキャリアを夢の実現や社会貢献活動にも活かす「パラレルキャリア」「プロボノ」。近頃この言葉を耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。今回パラレルキャリア、プロボノを実践中の3名にインタビューを行いました。初回は株式会社JSOLで営業マネージャー、そしてコヂカラ・ニッポンでコヂカラMBAを担当する三尾幸司さんです。
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コヂカラ・ニッポン大森 (以下大森):
ー今日はよろしくお願いします。ー
株式会社JSOL三尾さん (以下三尾):
よろしくお願いします。
大森 :
ーまずは三尾さんの本業について伺わせてください。ー
三尾:
IT企業で営業マネージャーとして、3人の部下と共にシステムやコンサルティングの提案を業務としています。主に流通、サービス業を中心に周っていて、小売、専門店、アパレル、出版やメディアなどの業界がお客様になります。
大森 :
ー顧客層が幅広いですね。ー
三尾:
そうですね。我々が強みとしているのは基幹システムと呼ばれる所で、会計、人事、物流販売などの”業務”で活用するシステムを強みとしています。最近ではデジタルマーケティング、EC(エレクトロニック・コマース)といった分野で、より消費者に近い領域に注力しています。また、最近のITトレンドとしては、AIやIOT(インターネット・オブ・シングス)などがありますね。
大森 :
ーAIについては、昨年沖縄県西原町の子ども達に向けて講座をやっていましたよね。ー
三尾:
そうですね。そういったIT技術を「業務内で活かしていきましょう!!」と提案をしています。
大森 :
ー三尾さんの職歴を伺いたいのですが、これまで転職はされてきたんですか。ー
三尾:
会社はずっと同じなんですが分社という事もあり転勤を経験しました。元々大阪で四年くらいシステム開発と営業をやってから東京に転勤してきました。そして親会社のNTTデータに出向後、現在元の会社に戻ってきたという流れです。業務では営業以外に社内の働き方を見直す取り組みもやってきました。結果イクボスアワード2016特別奨励賞を受賞する事もできました。他にも会社のビジョンを作るプロジェクトに参加するなど、いろんな取り組みをやってきましたね。
大森 :
ールールや風土を変えるとなると色々な人の話を聞いた上で、それ等を組み合わせていかなければいけませんよね。ー
三尾:
そうですね。色々な人の話を聞き、みんなで考え方を整理して自社のビジョンを作ったりしてましたね。
大森 :
ーその上で、心がけている事はありますか。ー
三尾:
心がけている事は、自分も含めて働く人が楽しく働ける会社にしたいと思って活動しています。せっかく所属している会社なので、いい会社にしたいですし、楽しく働きたいですよね。
大森 :
ー現在営業マネージャーという事ですが、担当されてどのくらいですか。ー
三尾:
4年目ですね。マネージャー業務にも慣れてきた所です。
大森 :
ー部下を持つと責任が増してプレッシャーを感じる事も増えてくると思います。それを解消する為に何か心がけている事はありますか。ー
三尾:
部下とのコミュニケーションは大事にしようと思っています。会社にいないことも多く、残業せずに早く帰ることも多いので、プレッシャーを感じるのは、部下が困っているときにちゃんとフォローしてあげられるか?というところですね。そのために密にコミュニケーションをとって、困ってないかどうかをちゃんと見ようと心がけています。また、できるだけ部下の働きやすい環境を用意して、部下が自分の実力や強みを発揮できることに注力しています。
大森 :
ー今回のインタビューテーマである「パラレルキャリア」「プロボノ」は最近メディアでも取り上げられていますが、三尾さんご自身は本業以外でどんな活動をされていますか。ー
三尾:
主にコヂカラ・ニッポンで”コヂカラMBA“というプロジェクトを行っていますね。それ以外では企業向けに”働き方改革”や”女性活躍推進”、たまに”パラレルキャリア”について講演をやったりもしています。
大森 :
ーコヂカラMBAを始めたきっかけは何かあったんですか。ー
三尾:
単純に”やってみたい”という気持ちからですね。学校では学ぶことができないマーケティングや問題解決のスキルを子どもにわかりやすく伝えて、子どもが社会や企業の課題を解決できると面白いなと思っていました。それで、コンテンツを自分で作って、いろんな会社に持っていったらNTTデータで実施する機会をいただいたというのが始まりでした。
大森 :
ーそして今後新たに”パパママ塾”というプロジェクトを考え中との事ですが、このプロジェクトもずっと考えていた事だったのでしょうか。ー
三尾:
そうですね。自分の子どもが思春期という事もあり考えたことですね。世の中イクメンやなんだと数年前に流行になりましたが、小さい子どもを持つパパママが対象になってたと思うんです。ですが、もう少し大きくなると思春期に入ってきますので、その思春期ならではの悩みを聞いたり、共有できるような場を提供したいと考えました。ただ、パパママ塾というのは単なるパパママ向けの講座ではなく、コヂカラという言葉にもあるように、パパママにも、そして、子どもの力にもつながるような形で企画したいと考えています。
大森 :
ーお子さんは今おいくつなんでしたっけ。ー
三尾:
上は高校3年生、真ん中は中学3年生、一番下が小学校1年生です。上2人は受験シーズンですね。
大森 :
ー三尾さんはPTA会長もやっていると伺いましたが、そちらは何年ほど担当されているんですか。ー
三尾:
5年目ですね。途中副会長も経験しました。
大森 :
ーPTA会長をやると様々な年代の方々と異なる意見がある中で物事を決めて進めていかなければいけないと伺う事があるのですが、その辺りはいかがですか。ー
三尾:
そうですね。良く聞きますよね。でも私の所は私自身が何かをしていることはほとんどなくてですね。。。副会長や各本部の役員の方々がしっかり分担して対応してくれているので、私はあまりする事がないです(笑)
大森 :
ー凄いですね。三尾さんご自身で体制をしっかり整えたからなんですかね。ー
三尾:
いえいえ、私は大したことしていなくてですね(笑)周りがちゃんとやってくれているので、私が出る幕はあまりないという感じですね。重圧感もあまり感じず取り組めていますし。もちろん会議に出席したり、入学式、卒業式で話をしたりはしますけど、実際の実務はほとんどやっておらず、周りの本部役員やPTAの方に助けてもらっています。その代わり、何かあったときの責任や対応はしっかりとするつもりではいます。
大森 :
ーお話をこうやって聞いていると三尾さんは何かを指し示して周りを引っ張ると言うよりか、”柔らかい雰囲気でみんなと一緒に何かを作る”、といった印象を受けました。ー
三尾:
そうですね。どうしても現場で解決できない事や、意見が衝突してしまうといった時は整理に入りますけど、基本は特に何もしてないですね(笑)だからこそ色々な事をやれるのかもしれないです。周りの人がしっかりしているから。
大森 :
ーちなみに三尾さんはご趣味はお持ちですか。ー
三尾:
色々ありますけど特にテニスが好きですね。最近は子どもも受験ですしやる機会は減りましたね。
大森 :
ー本業以外で色々な活動をする場合、時間活用の仕方や家族との時間というのがとても大切になってくると思うのですが、その辺りはいかがですか。ー
三尾:
確かに家族からの理解は大きいですね。ただそれでも活動の方に時間を取られてしまうことがあるので、迷惑をかけてしまう時もあります。その辺は申し訳ないけどサポートしてもらっている部分が多くあると思います。自分のやりたい事をやっている分、負荷をかけてしまっているのは申し訳ないとは思いますね。
でもコヂカラの活動自体、そんなに忙しいというわけではないじゃないですか。出来る時にやればいいっていうだけで。その辺はうまく回せてますし、本業の方も早い時間には帰宅できるので。帰宅後に仕事が出来たりもしますし。その辺は柔軟にやれてますね。
大森 :
ー本業では定時帰宅なんですね。ー
三尾:
だいたい定時ですね。とは言っても家庭の負荷としてはうちの奥さんがやはり大きいですね。共働きですが、子どもの迎えは大体はやってくれていますので。
大森 :
ーコヂカラ・ニッポンは”子どものチカラを信じようという”というのがテーマで活動をしていますが、三尾さんのこれまでのご経験の中で、子どものチカラを信じて良かったエピーソードはありますか。ー
三尾:
そうですねー。あんまりこちらから手を貸さなくても子どもたち自身でやれるという部分はあると思うので、そういった部分をもっと引き出すっていう考えはありますね。具体的なエピソードというのはあまり思いつかないですね(笑)
大森 :
ー基本的に大人からの”押し付けではない”という事ですよね。ー
三尾:
そうですね、こちらが何でもかんでも手を差し伸べるというよりかは、自分で考えて行動できる子になってほしいなぁ、と思いますね。親の手伝いをしたり、自分なりにやりたいと思うことをやったりとか。子どもが自分で考えて行動やチャレンジした姿を見れたりするといいですよね。
大森 :
ー確かに大人が感情的に”あれやれ” “これやれ”と言っても子どもに本当に響いてるのかはわかりませんよね。その時だけ何かをさせたとしても、子どもは気持ちが入ってないから次の瞬間には忘れてたりもしますし(笑)それを繰り返していると大人もストレスを抱えて悪循環になりそうですよね。
最後になりますが、パラレルキャリアやプロボノに今一歩踏み出せていない方々へメッセージがありましたら是非お願いします。ー
三尾:
踏み出せていないと言うより、やりたい人がやればいいといった感じだと思いますね。ただ、やりたいけれどどうしたらいいのかわからないと言うのであれば、まずは興味がある活動に参加してみる事で実感が湧いたりすると思います。個人的には外の活動をする事で視野が広がりますし、色んな考え方を持つ人たちと出会えるので、そういった環境に出ていくと言うのは大事ですし、良い経験にもなりますよね。後は自分の仕事がうまくいかない時などに、そういった場があるのはひとつ重要なポイントにもなると思います。今後はそういった社会になっていくと思いますね。
大森 :
ー中には以前から変わらずパラレルキャリアやプロボノのような事をされてる方々っているでしょうし、今は時代的にそういった流れがきてますしね。ー
三尾:
そうですね。これから人口も減って行きますし、自分のやりたい事をやったり、自分が直接社会に貢献していく事で”生きがい”や”働きがい”というものを得て行く方が増えていくと思いますよ。
大森 :
ー今日はインタビュー、ありがとうございました。ー