第1回イクボス式教育フォーラムを開催しました!!

2月24日(金)に文京区区民センターにて第1回イクボス式教育フォーラム「これからの人材育成と子ども教育とは 〜子どもの力を信じよう〜」を開催しました。この日はプレミアムフライデー初日という事もあり、多くの方が会場に足を運んでくださいました。

始めにプロジェクトリーダーであるコヂカラ・ニッポン小田桐から開催挨拶、続いて代表川島からコヂカラ・ニッポンの活動コンセプトと、※イクボス式教育の定義と10か条を説明しました。

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※イクボス式教育の定義と10か条
1.共感
わが子の大切にしていることや夢に共感し、応援する。

2.待つ
わが子のチカラを信じ、主体性を持たせて自ら育つのを待つ。

3.多様性
わが子に「他人と違いがあること」が当たり前だと伝え、ありのままを受け入れる。

4.知識
学校や教育のおかれた現状や、社会で求められている人材などの知識を有している。

5.自由と義務
好きなことをやっていいと言うのと同時に、やるべき責務があることの両方を我が子に伝える。

6.聴くと伝える
わが子の話や気持ちを聴く。また、親の気持ちや大切にしている事を素直に表現しわが子に伝える。

7.時間捻出
塾や習い事だけでわが子を多忙にさせず、何もない時間や家庭で過ごす時間も十分に持ち、子どもが自分で考えて生活できるようにする。

8.社会の窓
社会と接する機会を与えるなど、わが子にとっての「社会のウインドウ」になる。

9.応援団
わが子を応援してくれる先生・教師(学校/習い事/地域)の最大の応援団となる。

10.自己成長
子育てが、親自身の成長につながることを理解し、仕事や人格形成に役立てる。

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続いて、登壇者6名による講演です。

1人目は、サイボウズ株式会社 青野慶久社長から「私が考えるこれからの人材」と題して、新しい働き方を進める上で必要となる価値観とスキルを4つあげてくださいました。

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1.多様性(個性)を重視できること
それぞれ違ってよい。
2.チームの理想に共感して活動すること
バラバラなのに一体感がある。
3.公明正大に行動できること
アホはいいけど嘘はダメ。
4.自立(選択と責任)し、議論できること
自分の意思で選択し、周囲を動かせる。

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中でも「自立と議論」ができる人材を増やす為に、サイボウズでは「説明責任・質問責任」の考えを徹底しているとの事です。それは、「質問された事にきちんと答え、気になった事はその場で質問をする」というもの。

しかし、その際は「感情的」ではなく「建設的」な議論をする為のスキルが求められます。そこでオリジナルの問題解決メソッドを用いて、「事実」と「解釈」をきちんと分けた上で議論をするよう社員教育を行っているとの事でした。

 
2人目の、味の素株式会社 グローバル人財マネジメント 高倉千春部長からは「自律と多様性」についてです。

これまで人事の立場として「グローバル人材を作る」事をミッションとされてきた高倉さん。外資に勤めてきた中で、日本企業のグローバル環境や、日本教育に対して不安を覚える事が何度もあったそうです。

外資系日本法人は製品を売るだけの営業所になりつつあり、会議の場面では他国(インドやパキスタン)に発言力で負けてしまう。ある世界ビジネスコンテストでは小学生部門はベスト3に入るが大学生になるとベスト20にも入れない。。。

そんな日本がグローバルのフィールドで活躍するには、「自分で考え、自分で責任を持って発言し、自分で責任を持って実行するチカラ。まさしくコヂカラ。」とお話しいただきました。

 
3人目の立教大学 高橋俊之 特任准教授からは、「全員がリーダーシップを発揮できるための教育」として、立教大学のBLP(Business Leadership Program)をご紹介いただきました。

AIが飛躍的に発展していくこれからの時代。その中で求められる人材とは、「主体的に動ける人」であり「人と関わる中で成果をあげていける人」、正に「リーダーシップがある人」です。

BLPでは、1年次からプロジェクト等の実践・振り返りを通し、他者と関わりながら「考える力」と「専門知識」を高め、社会に出る前にリーダーシップが身につくよう学んでいるとの事でした。

 
4人目はコヂカラ・ニッポン副代表の中原から船橋コヂカラの活動紹介をしました。中原は、インプット中心の学校教育を見て、「これでは社会で求められるアウトプットのチカラが育ちにくいのではないか」と思い、4年前に船橋コヂカラをスタートさせました。

以前の職場では社員の教育担当をしていた中原。4年前の第1回目プログラムでは、きっちりプログラムを作成し、子どもたちに実行しました。

しかし、それでは中原自身が子ども達を引っ張っていってしまい、彼等が自主的に考えて行動する活動にはなりませんでした。

試行錯誤の結果、子ども達にはその日のゴールだけを伝えて、その後は全て子ども達に任せる事にしました。すると子どもたちは自ら考えて発言し、イベントの企画、運営を始めるようになりました。今期の子ども達も変わらず精力的な活動を続けています。

コヂカラ・ニッポンの中で最も継続したプロジェクトとなっている船橋コヂカラ。これからの活躍にも是非ご期待ください。

 
5人目はコヂカラ・ニッポン理事林田による「Team Wagaya」プロジェクトの紹介です。
「Team Wagaya」プロジェクトは、子育てを親だけで行うのではなく、ご近所さんや学校の先生、次いでは生協やテクノロジーも含めた1つのチームでやろうというものです。そうする事で、子ども達が家庭内で保護されるだけの立場ではなく、チーム(家庭)の中でその一因として活躍する事が出来ます。結果、子どもはコヂカラを育み、親自身にもゆとりが生まれるというプロジェクトでした。

 
最後の6人目は、この日飛び入りでご登壇いただくことになった、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会、生重幸恵代表理事です。

明治以降、激変の教育改革時期を迎えているという今の日本。親は偏差値にこだわり過ぎず建設的な意見を持ち、能動的に動くことで、地域や学校を動かしていく事が大切だと力説いただきました。

 
講演の後は、登壇者によるパネルディスカッションです。モデレーターは浜田敬子前AERA編集長です。皆さんに親としての在り方や子育てについてざっくばらんにお話しいただきました。その中で飛び交った体験談やご意見を一部ご紹介します。

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・小学3年生までは我が子を叱ることが多かったが、結果的に叱っても無駄だった。ならば楽しい方がいい。その後、良い先生にもめぐり合い、子どもは勉強を良くするようになった。教師の良さを知り、彼は今教師をやっている。

・意見を否定しないことを心掛けている。年齢に関係なく子どもを1人の人間として受け止めてあげる。

・子どもには興味がある事を勉強させてあげる。

・家で笑っているのが子どもの育ちには1番いい。

・与え過ぎない事、与えるのを我慢する事が大切。

・自分がない力を周りに頼る力。

・子ども達がどうしようも無くなった時に帰ってこれるような「場所」や「安心感」を作ってあげる。

・仕事や地域、人と関わる中で「ありがとう」と言われることに味をしめて欲しい。

・「前へ習え」の様な、一定のルールに従い成果を出せる時代はもう終わった。それを押し付けない様にしなければいけない。

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大盛況で終了した第1回イクボス式教育フォーラム。今後の活動に引き続きご期待ください。

<写真・文>
大森 光太郎


2017-03-14 | Posted in イベント・講演・対談No Comments » 

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